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Mascot Newsletter 創刊

月刊でお送りするMascot Newsletterでは、タンパク質の同定、キャラクタリゼーション、定量などに関する有益な情報や、Mascot ServerやMascot Distillerが使われた研究論文の中で、特に新規な使い方やチャレンジングな使われ方をした例などをご紹介していきます。Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。

Mascot Newsletterの内容に関して、お気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

2014年11月号

Mascot検索時間のはなし
Mascotを利用した研究論文の紹介
Mascot Server 2.5の新規サポート機能について
 

Mascot検索時間のはなし

Mascot検索時間はもっと短くならないものか、 あるいはMascot検索速度を速くするための効果的な方法は何なのかとお考えのお客様は多いと思います。今回は、Mascot検索時間を左右する要因についてご説明しますので、改善のヒントになれば幸いです。

1. 配列データベースのサイズ(配列データベースを構成するエントリーの数)とMascot検索時間は比例します。NCBInrなどの公共機関が公開している配列データベースは、更新される毎にサイズが大きくなりまので、Mascotの検索時間はそれに比例して長くなります。PCの性能が落ちているわけではありません。

2. ペプチドの質量誤差「Peptide tol. ±」の値はMascot検索時間に比例します。プロダクトイオン質量誤差「MS/MS tol. ±」はMascot検索時間にはほとんど影響しません。

3. 消化酵素「None」に対するMascot検索時間は「Trypsin」の100倍になり、閾値スコアも30以上増加します。非特異的な切断によるペプチドの存在が予想される場合は、まずは「Error tolerant 検索」をお試しください。「semi-specific」あるいは「none-specific」なペプチドを高速にしかも感度よく検出することができます。

4. 未消化の度合いを設定する「missed cleavages」の値を大きくすると、検索対象となるペプチドの数が増加するため、Mascot検索時間は長くなります。たとえば、「0」を「1」にするとMascot検索時間は倍になります。

5.「Fixed modifications」の設定はMascot検索時間に影響しません。一方、「Variable modifications」の設定に対するMascot検索時間は幾何級数的に増加します。まずは一般的に観測される修飾(Oxidation (M)など)を設定してMascot検索を実行し、サンプルに含まれるタンパク質の検出を試みてください。

6.「iTRAQ」や「TMT」に対する定量解析計算においては、正規化(normalize)の処理に時間がかかりますので、まずは「Normalisation」の値を「None」にして解析結果を吟味し、その後に正規化の処理を行うと解析時間の節約になります。

7. Mascot検索時間を根本的に短縮したい場合は、Mascot Serverを最新のプロセッサを搭載したPCに乗せ替えるか、Mascot Serverライセンスを追加して、Mascot Clusterシステムを導入するのが効果的です。

より詳しい内容をお知りになりたい場合は ココ をクリックしてください。

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Mascotを利用した論文紹介

Mascot ServerやMascot Distillerが使われた研究論文の中で、特に興味のある使われ方をした例をご紹介していきます。

 

Tracking Cancer Drugs in Living Cells by Thermal Profiling of the Proteome

Mikhail M. Savitski, Friedrich B. M. Reinhard, Holger Franken, Thilo Werner, Maria Fälth Savitski, Dirk Eberhard, Daniel Martinez Molina, Rozbeh Jafari, Rebecca Bakszt Dovega, Susan Klaeger, Bernhard Kuster, Pär Nordlund, Marcus Bantscheff, Gerard Drewes.

Science 3 October 2014, Vol. 346, no. 6205

This paper demonstrates a new approach for the unbiased measurement of drug-target binding, illustrating the interaction of anticancer drugs with human leukemia cells. By measuring the changes in the thermal profiles or "melting points" for over 7,000 proteins, the authors were able to identify over 50 targets for the kinase inhibitor, staurosporine. Additionally, the heme biosynthesis enzyme ferrochelatase was inhibited, suggesting this as a cause for the phototoxicity observed with vemurafenib and alectinib. It is expected that thermal proteome profiling can be extended to membrane proteins as well as tissues from animal studies or clinical biopsies. In a press release on the study, Bernhard Kuster of Technische Universität München and the German Cancer Research Center said, "We hope to use this method in the future to explain or even predict many adverse effects."

Figure from featured publication

Mascot Server 2.5の新規サポート機能について

Mascot Server 2.5では次の新規機能がサポートされています。

混合スペクトルへの対応(Chimeric spectra)

ひとつのプロダクトイオンマススペクトルデータに複数のペプチド由来のデータが混合しているデータの検索が可能となりました。mgfファイルの中にペプチドの質量に関する情報を複数与えて検索し、ペプチドの質量を指定した分の query が生成されます。

スペクトルビュアーを刷新しました

色分け表示がカーソルの動きに合わせてインタラクティブに変化するほか、SVG形式による出力にも対応しました。

Mascot Server CD package
spectrum viewer

その他

・入力ファイルのダウンロードに対応

・64ビットMascot Daemon

・修飾解析結果のサマリー表示

・管理機能の改善・強化

・Webページのレイアウト変更など

資料

新規サポート機能資料(英語版)はこちら

新規サポート機能の日本語ちらしはこちら

 

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〒101-0021 東京都千代田区外神田6-10-12 KBビル3F

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ファクシミリ:03-5807-7896

 

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