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Mascotニューズレター 12月号

Mascotニューズレター2014年12月号をお届けします。

今回は修飾設定の話題を取り上げました。ご参考になれば幸いです。

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関して、お気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

もくじ

Variable modificationの最大選択数を9に制限している理由
Mascotを利用した研究論文の紹介:SNAREタンパク質
Mascot Server 2.5のパッチについて
 

Variable modificationの最大選択数を9に制限している理由

Mascot Serverは約1,000種類の修飾(Variable modification)を持っていますので、「Variable modifications」の修飾リストからできるだけ多くの Variable modification を選択して、Mascot検索を実行したい欲望に駆られますが、デフォルトでは Variable modification の選択は9種類までに制限しています(この制限値は変更することができますがお薦めできません )。

Mascotは、検索条件として設定した Variable modification の有無を考慮してマッチするペプチドを探し、次にそれらのペプチドのMS/MSスペクトルにマッチするかどうかを判定します。Variable modification の数が増えるほど、検索対象となるペプチドの数は幾何級数的に増加し、従って閾値スコアも増加しますので、検索により多くの時間を費やすだけでなく、本来は有意にマッチするはずのペプチドがランダムマッチになり、閾値スコアを超える有意なマッチングを得にくくなります。特に、存在が希な修飾ペプチドが検索対象である場合は、(そのMS/MSスペクトルデータも相対的に得にくくなると思いますので)同定しにくくなります。豊富に存在する修飾ペプチド(存在しうるペプチドの10%以上)であれば比較的容易に同定することができます。

プロテオームのレベルでは、翻訳後修飾は希な存在ですので、たとえば「whole cell lysate」における翻訳後修飾ペプチドの検索は「Error tolerant検索」機能を利用するのが良いと思います。「Error tolerant検索」では、指定したタンパク質(同定されたタンパク質)に対して、Mascot Serverが持っている全ての修飾を使ってマッチングの判定を行います。なお「Error tolerant検索」は、MHCペプチド(における濃縮されたリン酸化ペプチドあるいは糖鎖ペプチド)のような「isolated peptides」に対しては有効に機能しません。

この話題に関してはブログ記事(Modifications round-up, part 1 および part 2)もご覧ください。

Unimod
modification statistics from error tolerant search

Mascotを利用した研究論文の紹介:SNAREタンパク質

膜タンパク質は質量分析計を利用した解析が難しいとされていますが、今回はSNAREタンパク質の解析例をご紹介します。

 

Targeting Synaptic Pathology with a Novel Affinity Mass Spectrometry Approach

Ann Brinkmalm, Gunnar Brinkmalm, William G. Honer, Julie A. Moreno, Joel Jakobsson, Giovanna R. Mallucci, Henrik Zetterberg, Kaj Blennow, and Annika Öhrfelt.

Molecular & Cellular Proteomics October 1, 2014, Vol. 13, 2584-2592

This study presents a method for characterizing and quantifying proteins in the SNARE complex, which are involved in presynaptic regulation and may play a role in early stage dysfunction in Alzheimer's disease. These proteins are difficult to analyze by mass spectrometry as they are membrane-associated and strongly form complexes.

Combining affinity purification by immunoprecipitation and mass spectrometry, the authors showed reduced levels of the SNARE proteins in brain tissue from AD patients as well as in prion-infected mice. The particular advantage of the MS-based method over immunological assays is that all SNARE proteins, including modified forms, can be quantified simultaneously.

Figure from featured publication

Mascot Server 2.5のパッチについて

日本のお客様には最新パッチを含む「Mascot Server 2.5.1」のインストールセットを年内にお送りする予定です。到着まで今しばらくお待ちください。

Mascot Server CD package
 

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