英語のWeb版はここをクリックしてください   日本語のWeb版はここをクリックしてください

newsletter banner

Mascotニューズレター 3月号

 Mascotニューズレター2015年3月号をお届けします。

 今回は、Data Independentな測定データ(DIA)からMascot検索が可能なピークリストを作成するオープンソースのユーティリティプログラムを取り上げました。ご興味のあるお客様はお試しください。

 Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関して、お気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

2015/3 もくじ

DIA-Umpireを利用したDIAデータに対するMascot検索
Mascotを利用した研究論文の紹介
今月の小技
 

DIA-Umpireを利用したDIAデータに対するMascot検索

 標的にしたタンパク質・ペプチドを定量するために、Data Independentな測定データ(DIA)を利用する研究者が増えています。MascotはDIAデータを直接処理することはできませんので、今のところはDIAデータ処理に必要な「質量:ペプチドライブラリ」を作成するために使われる程度ですが、もしDIAデータを処理できれば、網羅的な同定・定量が簡単になるかもしれません。

 「DIA-Umpire」は、ミシガン大学で開発されたオープンソースのJavaプログラムで、DIAデータをData Dependentなデータ(DDA)形式のピークリストに変換します(Nature Methods 12, 258-264 (2015))。弊社では、AB Sciex 5600で測定されたSwathデータを使って検討しましたが、良い結果が出ています。また、大量のSwathデータファイルを処理できるように、Mascot Daemon 2.5のdata import filterに「DIA-umpire」追加するユーティリティプログラムを作成しました。詳しくは次のブログをご覧ください。

data-independent acquisition

Mascotを利用した研究論文の紹介

 Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文かありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関して、お気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。.

 

The first step of peptide selection in antigen presentation by MHC class I molecules

Malgorzata A. Garstka, Alexander Fish, Patrick H. N. Celie, Robbie P. Joosten, George M. C. Janssen, Ilana Berlin, Rieuwert Hoppes, Magda Stadnik, Lennert Janssen, Huib Ovaa, Peter A. van Veelen, Anastassis Perrakis, and Jacques Neefjes

PNAS (2015) 112: 1505-10

The major histocompatibility complex (MHC) class I molecules display a wide array of peptides to the cytotoxic T cells, providing for the immune system to attack the pathogens and mutated proteins. However there is a limited set of peptides that is presented, and how this selection occurs is the focus of this paper, in which the peptide on- and off-rates from the mouse MHC class I molecule H-2K were studied.

The authors found that these molecules initially bind a large number of peptides, but that this initial step is followed by a selection where the majority of these peptides are released. They found a strong temperature dependency by the H-2Kb peptidome from cells cultured at 26 °C versus 37 °C, suggesting that the MHC class I undergoes rounds of consideration and rejection until only high-affinity peptides are acquired. This mechanism simultaneously allows for a wide range of sampling while ensuring that only the best available options are chosen for presentation.

Figure from featured publication

今月の小技

 Mascotは、ピークリストデータとしてプロファイルデータが入力された場合でも適切な検索結果を得るために、「CentroidWidth(デフォルト値は0.25Da)」ウインドウ内に存在するピーク群に対してセントロイド処理を行い、その重心ピークをMascot検索に使っています。この処理は、今までの質量データに対してはあまり問題になりませんでしたが、最近では「CentroidWidth」ウィンドウ内に存在する、異なるイオンに由来する質量ピーク群を互いに区別できるような高分解能・高精度測定ができるようになりましたので、この処理が問題になるケースが出てきました。Mascot 2.4では「CentroidWidthCount」(デフォルト値は1000)の項目を新設し、この値以上のピーク数で構成された質量データに対してセントロイド処理を行うように仕様変更しています。

 Mascot 2.4以前のバージョンでは「CentroidWidth」の値を、たとえば「0.0001」に設定することでセントロイド処理機能を実質的に無効にすることができます。高分解能・高精度質量データをMascot検索したい場合はお試しください。なお、この設定変更は、プロファイルデータに対するMascot検索結果を悪化させますので注意が必要です。

High res MS/MS

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

〒101-0021 東京都千代田区外神田6-10-12 KBビル3F

info-jp@matrixscience.com

電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

 

Matrix Science logo

Matrix Science Ltd, 64 Baker Street, London W1U 7GB, UK
T +44 (0)20 7486 1050  F +44 (0)20 7224 1344  E info@matrixscience.com
 

View in a web browser Forward to a colleague Unsubscribe