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2016年1月号

新年明けましておめでとうございます。本年も Mascot ニューズレターをよろしくお願いいたします。

今年最初のトピックスは、間違いなく同定されたタンパク質リストの作成方法についてです。マウスを数回クリックするだけでCSVファイルを作成できます。お試しください。

Mascot を利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascot ニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技では、PMF検索とMIS検索のエッセンスを素早く習得できるチュートリアルのご紹介です。

Mascot ニューズレターのバックナンバーはこのページからご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

間違いなく同定されたタンパク質リストの作成方法
Mascot を利用した論文の紹介
今月の小技
 

間違いなく同定されたタンパク質リストの作成方法

Mascot 2.5 に実装されている「Report Builder」を使うと、これ以上簡単な方法はないと思えるほど素早く、間違いなく同定されたと思われるタンパク質のリストを作成することができます。次の操作をお試しください。

  1. Mascot検索条件として「Decoy」をチェックしてください。
  2. 「Protein Family Summary」レポートページを開いてください。
  3. 「Report Builder」タブを選択してください。
  4. 「▶ Decoy search summary」を展開し、「- above identity or homology threshold」のFDRの値として「1%」を選択し、「Adjust to」ボタンを押してください。
  5. 「▶ Filters:」を展開し、選択リストを操作して「Num. of significant unique sequences > 1」にセットし、「Filter」ボタンを押してください。
  6. リストの表示項目や順番を変更したい場合は「▶ Columns:」を展開し、「Arrangement: <custom>」から操作してください。
  7. 「Export as CSV」を押してCSVファイルとして保存してください。

操作5.では、いわゆる「one-hit wonders」のタンパク質を除いています。なお、「▶ Filters」には他にも様々なオプションを用意してあります。たとえば、cRAP などのコンタミ用配列データベースを併用して Mascot検索を実行した場合は、「Database is not cRAP」をセットすると cRAP からのヒットを除くことができます。詳しくは ブログ をご覧ください。

Report builder

Mascot を利用した論文の紹介

Mascot ニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Proteomic analysis of cerebrospinal fluid in California sea lions (Zalophus californianus) with domoic acid toxicosis identifies proteins associated with neurodegeneration.

Benjamin A. Neely, Jennifer L. Soper, Frances M. D. Gulland, P. Darwin Bell, Mark Kindy, John M. Arthur, and Michael G. Janech

Proteomics (2015) 15: 4051-4063

For the past 20 years, California sea lions have suffered mass strandings thought to be caused by ingesting prey that have concentrated toxins from algae blooms. These domoic acid toxins (DAT) cause neurodegenerative disorders by crossing the brain-blood barrier and interfering with nerve signal transmission.

Diagnosis of DAT is problematic because domoic acid is rapidly cleared from the body and may not be directly detected when stranded sea lions are ultimately found. Additionally, proteomics is difficult since the genome of the sea lion is not sequenced. To overcome this, the authors searched against protein sequences from several better characterised terrestrial mammals.

From the LC/MS/MS of 11 samples, a total of 206 proteins were identified (FDR < 0.1) using the composite mammalian database. Several peptide identifications were validated using stable isotope labeled peptides. Comparison of spectral counts revealed seven proteins that were elevated in the cerebrospinal fluid from sea lions with DAT. Mass spectra have been uploaded to ProteomeXchange (dataset PXD002105).

Thumbnail from featured publication

今月の小技

Mascot検索実行画面はとてもシンプルに構成されていますが、それでもやはり配列データベース検索に関する学習曲線には険しい部分があります。弊社は、この分野に新しく入ってきた研究者向けに「webcast training course」や関連するトピックスを提供していますので、ぜひアクセスしていただきたのですが、残念ながら、実際にはそれほど利用されていません。

これから質量分析を利用したプロテオミクス研究に関わる研究者や、新しく研究グループに加わった方は、ぜひ「Access Mascot Server」ページの「Tutorial」リンクにアクセスしてください。私共の試算では、PMF検索操作は8分程度、MIS検索操作は12分程度で習得できると思います。なお日本語版も公開していますのでご利用ください(「Mascot Server 2.5 取扱説明書」の「Mascot検索クイックスタート」をご覧ください)。

チュートリアルは、Mascot検索を正しく実行するための必須項目をカバーしていますので、Mascot Serverをこれから利用する方はもちろん、日常的に使っている方にとっても退屈な読み物ではないと思います。

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