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2017年3月号

ドイツのポツダムで開催される Proteomic Forum 2017 に出展します(2017年4月2日〜5日の4日間)。

PRIDE のようなプロテオミクス情報共有サイトに検索結果ファイルをアップロードする際の注意点をまとめました。

Mascotを利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技は、Mascot Distillerの「Processing options」ファイルの取り扱いについてご説明します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

プロテオミクス情報共有サイト
Mascotを利用した論文の紹介
今月の小技
 

プロテオミクス情報共有サイトへの検索結果のアップロード

研究で得られた質量データファイルや検索結果ファイルをプロテオミクス情報共有サイトにアップロードして公開することは、いまや一般的になりつつありますし、多くのジャーナルは研究論文の掲載条件としてこれを義務づけています。

EMBL-EBIが運営する「PRIDE」では、質量データ(RAWデータ)、ピークリスト、mzIdentML形式の検索結果を「3点セット」としていますが、この「3点セット」を滞りなくアップロードするためのヒントをまとめました。

MIAPEコンプライアンス(詳しくは MIAPE-MSI をご覧ください)
» mzIdentMLファイルには、タンパク質のシーケンス・カバレージを計算できるように、タンパク質の説明と長さを含める必要があります。
» False Discovery Rateを含める必要がありますので、Target/Decoy検索を実行してください。
ピークリスト(Peak Lists)
» 質量スペクトルとペプチドのマッチングに対する正確な相関を計算できるように、mzIdentMLファイルと同じ場所にピークリストファイルを配置してください。
修飾(Modifications)
» Unimod に登録されていない修飾は却下されますので、あらかじめUnimodに登録してください(あるいはその修飾を指定せずに実行した検索結果を用意してください)

詳しくは ブログ にまとめましたのでご覧ください。

なお日本では jPOST を利用することができます。

Pride

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

An application of mass spectrometry for quality control of biologicals: Highly sensitive profiling of plasma residuals in human plasma-derived immunoglobulin

Franck Limonier, Katleen Van Steendam, Genevieve Waeterloos, Koen Brusselmans, Myriam Sneyers, Dieter Deforce

Journal of Proteomics 152 (2017) 312-320

The authors have developed a mass spectrometry based method for the detection and quantitation of trace-level residual proteins in human plasma-derived immunoglobulin. These Ig's are used as therapies for disease-related immune deficiencies, as well as for autoimmune diseases. A series of adverse events due to these residuals is the stimulus for this work.

This study looked at a wide range of fractionation methods, acquisition strategies, replications, and samples to determine the optimum method. They concluded that enriching low abundant proteins using a bead-based combinatorial peptide ligand library (CPLL) is the preferred approach for detecting these residuals. Standard bottom-up LC/MS/MS and database search is used for detection and label-free quantitation.

They tested 5 different Ig products and discovered about 70 different residual plasma proteins. They demonstrated the quality control potential with a spiking experiment where levels of 1ng/mg in Ig were detectable, which is below the 3ng/mg threshold thrombotic dose (in vivo model).

Thumbnail from featured publication

今月の小技

Mascot Distiller 2.6 では全ての「Processing Options」ファイルを刷新しました。また、それらの配置場所と、各RAWファイルに対応するファイル名の規則を変更しました。しかしながら小さな問題がひとつあります。

Mascot Distillerは最後に使用した「Processing Options」ファイルを憶えています。Mascot Distiller 2.6にバージョンアップしても忘れませんので、バージョンアップ後の最初の「Processing Options」ファイル選択操作の際、開かれるフォルダは最後に使用した場所です。従いまして、新しく配備した「Processing Options」ファイルに気づかないかもしれませんのでその格納場所を確認しますと・・・Mascot Distiller 2.6では、「Processing Options」ファイルは「C:\ProgramData\Matrix Science\Mascot Distiller\processing options」フォルダに配置されており、デフォルトではここに保存されます。

ファイル名の規則も新しくしましたが、「qtrap_reporter.SciexAnalyst.opt」を例にとって右端から順に説明します。拡張子の「.opt」は必須です。その左は「SciexAnalyst」のようなRAWファイルの種類を特定するための文字列になります。その左は自由な文字列ですが、「qtrap_reporter」のようにピーク抽出条件を連想させるような内容が良いと思います。なお、「default」を指定すると、「default.WatersMS2E.opt」のようになりますが、その種のRAWファイルに対するデフォルトの「Processing Options」ファイルになります。

Mascot Distiller 2.6では上記の「Processing Options」ファイル名の規則にしたがってファイル・ダイアログが動作しますが、たとえば、メニューバー[File]→[New Project]→[Thermo]→[XCalibur…]で開く「Select XCalibur data set」ダイアログでは、右図のように[Processing Option]のプルダウンリストに今まで使っていた古い「Processing Options」ファイルを表示するようにしています。なお、これらの古い命名規則の「Processing Options」ファイルを表示させないようにするには次の操作を行ってください。

  • Mascot Distillerを停止してください。
  • Mascot Distillerの設定ファイル「C:\Users\%USERNAME%\AppData\Roaming\Matrix Science\Mascot Distiller\Distiller.rst」をテキストエディタで開いてください。
  • 行と行の中間にある文字を全て削除してください。
  • 保存してください。
  • Mascot Distillerを起動してください。
Distiller processing options

お問い合せ

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〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-10 ARTビル1F

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ファクシミリ:03-5807-7896

 

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