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2017年7月号

20種類の「暗黒物質」を同定すべく「$100/暗黒物質」で クラウドソーシング を始めました。皆様のお力添えを賜りたくよろしくお願いいたします。

Mascot を利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文かありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技はアンチウイルスソフトウエアの話です。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

暗黒物質に光を
Mascotを利用した論文の紹介
今月の小技
 

クラウドソーシングで暗黒物質に光を

「Mass tolerant検索」(考案したGygiの研究グループでは「Open検索」と呼んでいます)を実行すると、「Unimod」修飾データベースに含まれていない、従って通常のデータベース検索では検出できない質量差(mass difference)を持ったペプチドが多数マッチします。この質量差は人工的・人為的な何かに由来するのか、あるいは実在する何かに由来するのか、いずれにしても興味津々、そそられます。もし実在するなら、なぜ今まで気づかずに見落とされてきたのでしょうか。

皆様のお力で私共が選んだ20個の「mass difference」な暗黒物質に光をあてていただけないでしょうか。「Credible」な解を「Submit」していただいた最初の方に、ひとつの「mass difference 」あたり$100を進呈いたします。

  • 元素構成ではなく化学式あるいは反応経路を提示してください
  • 関連する文献に記載されているサンプル調整及び分析方法に対して化学的に矛盾しないようにしてください
  • 正当な理由がない限り希少元素や不自然な同位体を含めないでください
  • 質量データは高い質量精度で測定されていますので、質量誤差は0.005Da以内にしてください

詳しくは次の ブログ をご覧いただきまして、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

Mystery mass deltas

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Systematic Evaluation of Protein Reduction and Alkylation Reveals Massive Unspecific Side Effects by Iodine-containing Reagents

Torsten Mueller and Dominic Winter

Molecular & Cellular Proteomics, 16 (2017) 1173-1187

Despite the near-ubiquitous nature of reduction and alkylation in proteomics workflows, there has not been a systematic examination of how it impacts the proteins identified. In this paper the authors evaluated the reduction and alkylation of proteins using three reducing agents (DTT, TCEP, and BME) in combination with four alkylation agents (IAA, IAC, AA, and CAA). They tested these conditions using strong anion exchange fractionated in-solution digests and in-gel digested fractions of samples enriched for cytosolic proteins of HeLa cells.

Among the evaluated alkylation reagents, IAA and IAC resulted in the lowest efficiencies of peptide identification across all conditions. This indicates that the iodine-containing reagents lead to the highest numbers of non-specifically modified peptides.

Using dimethyl labeling, mass tolerant searches, and synthetic peptide experiments, they identified alkylation of methionine residues by iodine-containing alkylation reagents as one of the major factors for the differences. There were differences of more than 9-fold in the numbers of identified methionine-containing peptide spectral matches for in-gel digested samples between iodine- and non-iodine-containing alkylation reagents.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

悪意あるソフトウエアからPC(実質的にはWindows)を守るために、様々なアンチウイルスソフトウエアが利用されていますが、これらは時としてMascotの処理・動作に影響を及ぼすことがあります。

アンチウイルスソフトウエアの主要な機能である「リアルタイムファイルスキャン」はわかりやすい問題を引き起こします。たとえば、Mascotが検索結果を検索結果ファイルに書き込んでいるときや、検索結果をよりスムースに表示させるためのキャッシュファイルを作成しているときに、これらのファイルがこの機能によって「ロック」されてしまい、タイムアウトや作成エラーとなって問題が顕在化します。エラーが出力されない場合でも、FASTAファイルのようなサイズが大きいファイルのコピーや処理が非常に遅くなることがよくあります。また、Mascotには様々な実行プログラムが実装されていますが、それらがFalse Positive判定されて隔離されてしまうということも非常に希ですが実際に起こっています。

Mascotは通常、Mascot専用のPCにインストールされ、そこでは他のソフトウエアは動かさないようなサーバシステムとして運用されますので、Webサイトの閲覧や電子メールに添付されたファイルをダウンロードするPCに比べてはるかに安全です。Mascotがダウンロードするのは、所在が知れた安全なサイトのテキストファイルです。もちろん、誰かがFASTAやXMLファイルを悪意あるソフトウエアに置き換え、なんらかの問題が引き起こされる可能性はあります。

Mascotの運用環境を考慮して、Mascotの関連フォルダーをアンチウイルスソフトウエアの検疫対象外とするのは良い選択だと思いますが、何か問題が起きたときの責任を考えると実際には難しいかもしれません。Mascot ServerがLinux上で動いている場合はWindows系システムに比べて感染しにくい環境にありますが、クライアント側で動作するアンチウイルスソフトウエアが悪さをする場合があります。クライアントPC側のブラウザで検索結果が表示されないとう不可思議な現象が報告された例では、アンチウイルスソフトウエアがブラウザを「過度に」保護していたことが原因でした。また、「Sophos」というアンチウイルスソフトウエアは 自分自身のアップデータをマルウエアとして検出 してしまい、最近では有名なマルウエアになりました・・・まるで落語のオチのような話です。

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