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2017年9月号

Mascot Serverは17種類のイオンシリーズをサポートしており、これらを自由に組み合わせて検索するこができます。EThcDの質量データを例とり、イオンシリーズの組み合わせの重要性について考えてみます。

Mascotを利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文かありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技では、Mascot検索条件設定画面の「taxonomyリスト」の編集方法についてご説明いたします。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

イオンシリーズの組み合わせ
Mascot を利用した論文の紹介
今月の小技

 

Visit us at HUPO 2017
 

17種類のイオンシリーズは適切に組み合わせてください

Mascotの検索条件設定画面の[Instrument]リストの、たとえば「ESI-TRAP」には「b、b*、bO、y、y*、yO」のイオンシリーズが設定されており、これらのイオンシリーズを仮定してMascot検索が実行されます。Mascot Serverには17種類のイオンシリーズがあり、「Configuration Editor」を使ってそれらを自由に組み合わせて新しいInsterumetを定義することができますので、「全部入り」のInstrumetを定義することもできます。「全部入り」は便利だと思われるかもしえませんが、質量データには存在しないイオンシリーズも検索対象となるためにFalse positiveなヒットが増え、positive補足感度が低下します。

「全部入り」Instrumentの効果を検証するために、溶解HeLa細胞のEThcD(電子移動解離+高エネルギー衝突解離、「b/y」と「c/z」のプロダクトイオンが生成により同定率の向上と修飾部位の特定に寄与します)の質量データからMascot Distillerでピークリストを作成し、Trypsin/P、2 missed cleavages、Carbamidomethyl (C) fixed、 Oxidation (M) variable、Peptide tolerance 15 ppm、MS/MS tolerance 30 ppmの検索条件で比較しました。「全部入り」と「EThcD」のイオンシリーズの違いは「d」と「v」です。

「全部入り」と「EThcD」の1%FDRにおけるPSM(Peptide-Spectrum Match)の差は1%程度でした。これは検証に使用しのは高精度な質量データであるため、質量データ中には存在しないイオンシリーズがFalse Positiveなマッチングにあまり寄与しないためですが、試しにプリカーサイオンとプロダクトイオンの両方に対して0.5Daの質量誤差を設定して検索すると、「全部入り」効果が強調され、1%FDRにおけるPSMの差は6%にもなります。詳しい内容につきましては ブログ をご覧ください。

因みに、検索条件として設定する質量誤差は質量分析計の特性値になりますので、お客様が自由に設定できる項目ではありません。

Ion series

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

A Simple Light Isotope Metabolic labeling (SLIM-labeling) strategy: a powerful tool to address the dynamics of proteome variations in vivo

Thibaut Leger, Camille Garcia, Laetitia Collomb and Jean-Michel Camadro

Molecular & Cellular Proteomics, in press, published August 18, 2017

The authors have developed a new approach to address some of the limitations imposed by current quantitative proteomics methods. With metabolic labelling or stable isotope reagents, there are challenges due to the variable mass shifts or the ion suppression from additional peptides present causing lower identification efficiencies.

The paper describes bottom-up proteomic analyses of the pathogenic yeast, C. albicans, grown on a synthetic medium containing either normal glucose or depleted glucose containing only 12C carbon atoms as the sole carbon source. The use of 12C resulted in an increase in the intensity of the monoisotopic ion, markedly improving bottom-up proteomics analyses.

12C incorporation resulted in better overall scores per identified peptide with average scores up to 28% higher leading to an average increase of the protein identification scores of 36%. The number of identified peptides and proteins in C. albicans also increased by 14% and 11%, respectively, when applying a 1% FDR filter after 12C enrichment in vivo.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

Mascot検索条件設定画面の「Taxonomy」リストとProtein family summaryページの「Preferred taxonomy」リストの内容は編集することができます。名称を変更したり(「cattle」それとも「cow」それとも「beef」それとも「bovine」それとも「bos taurus」・・・どれがお好みですか?)、「human + mosquito」のように複数の生物種を組み合わせることもできます。

Taxonomy設定ファイルは「C:¥inetpub¥mascot¥config¥taxonomy」ですが、Configuration Editorのようなエディタがありませんので、テキストエディタでファイルを開き、直接編集してください。

ひとつのエントリは「Title:」行で始まり、「*」行で終わります。「Title:」行の文字列は検索条件設定画面の [Taxonomy]リストに表示されます。通常は、生物種の名称や意味が把握できる短い文字列で構成します。また、Taxonomy のツリー構造を示すために、インデントとして「・・・」や「ひとつのスペース」を使うことができますが、タブや連続する複数のスペースを使用することはできません。「Include:」行は、ひとつ以上の「Taxonomy ID」で構成され、複数の「Taxonomy ID」を記述するときは互いにカンマで区切ります。通常は、NCBI(米国 National Center for Biotechnology Information) が提供している「Taxonomy ID」を適用します。「Exclude:」行は、ひとつ以上の「Taxonomy ID」で構成され、複数の「Taxonomy ID」を記述するときは互いにカンマで区切ります。「Include」から「Exclude」を “差し引いた” Taxonomy が検索対象となります。

詳しくは次の資料をご覧ください。
▶英文マニュアル:「Setup & Installation Manual」の9章
▶日本語マニュアル:Taxonomyリストの変更方法

Taxonomy drop-down list

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