今月の小技
質量データのサイズが大きくなるとそれに比例して検索結果ファイルのサイズが大きくなり、結果としてタンパク質とペプチドの数が増え、それらの帰属関係が複雑になりますので検索結果レポートの作成に時間がかかり、結果表示が遅くなります。特に検索結果を複数回開くような場合はその都度待たされることになり、効率的ではありませんでした。
Mascot Server 2.3では、あらかじめキャッシュファイルを作成することにより結果レポートの読み込みを高速化しました。このキャッシュファイルは、検索結果レポートを初めて表示する際に作成され、2回目以降の同じ結果レポートの表示速度を高速化します(ほぼ一瞬で表示されるようになります)。また、また「Protein View」レポートおよび「Peptide View」レポートの表示も高速化します。
当然のことながら、キャッシュファイルを作成するための「キャッシング処理」は時間がかかります。もし結果レポートを2回以上はめったに開かないとか、「Protein View」レポートや「Peptide View」レポートをめったに見ることがない場合は、このキャッシング処理を無効にすることで最初の結果レポートの表示時間を短くすることができます。
個々の結果レポートのキャッシング処理を無効にするには、URLに「&_usecache=0」を追加してください。
グローバル設定としてキャッシング処理を無効にするには、「mascot.dat」ファイルの「ResfileCache」行と「ResultsCache」行の先頭に「#」を入れてコメントアウトし、これらのキーワードだけを含む行を新たに追加してください。
<#でコメントアウトして無効にする行> # ResfileCache master_results.pl, master_results_2.pl, peptide_view.pl, protein_view.pl, export_dat.pl, export_dat_2.pl, ms-createpip.exe, MSAnatomiser.class, mi_getpeaklist.pl, msms_gif.pl, nph-mascot.exe, ms-searchcontrol.exe, client.pl
# ResultsCache master_results.pl, master_results_2.pl, peptide_view.pl, protein_view.pl, export_dat.pl, export_dat_2.pl, MSAnatomiser.class, mi_getpeaklist.pl, nph-mascot.exe, ms-searchcontrol.exe
<新たに追加して有効にする行> ResfileCache
ResultsCache
この変更により、いくつかのスクリプトやユーティリティプログラムによって消費されるメモリ使用量が増加しますので、少なくとも16GBのRAMを確保する必要があります。また、「Protein Family Summary」レポートのタブを切り替えたり、タンパク質ファミリーの表示を展開する場合は表示速度が遅くなります。 |