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2018年7月号

暑中お見舞い申し上げます。
このところの異常な暑さや雨量は異常気象と言われておりますが・・・これからは日常気象になるような気がします。何事も身体が資本、体調をくずされませんよう無理をなさらずご自愛ください。

HUPO 2018 Orlando に出展します。出展ブースに無料相談コーナーを設置しますのでご利用ください。

酸化システインを定量するためのSICyLIAプロトコルを例にとり、Mascot ServerとMascot Distillerのフレキシブルな使い方ををご説明します。

「今月の論文」では、カテコールエストロゲンのタンパク質ターゲットを同定する方法に関する研究例を取り上げました。お客様が取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。

「今月の小技」では、Mascot Daemon 2.6に実装されている「Backup」と「Restore」の機能をご説明します。Mascotの検索結果URLなどを簡単に変更することができます。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

今月のトピックス

無料相談 at HUPO 2018
酸化システイン定量
今月の論文
今月の小技
 

無料相談コーナー at HUPO 2018 Orlando

展示ブース内に質問・相談コーナーを設置します。弊社製品(Mascot Server、Mascot Daemon、Mascot Distillerなど)の使い方や処理結果の見方など、お客様がお持ちの何となくモヤモヤな件も含めてご相談ください。あらかじめご予約いただければお客様専用の時間枠を用意いたしますのでご利用ください。また、その場では処理できないような大きなデータなどは前もって処理しておくこともできますので、データファイルのアップロード方法や処理条件などお気軽にご相談ください。

  • Error tolerant検索や翻訳後修飾についてわからないことはありませんか?
  • 新しい定量法を試したいが設定項目や操作方法を具体的に知りたい
  • Mascot Serverに手持ちのFASTAファイルを新規に追加したが正しくセットアップできているかどうかいまひとつ不安
  • Mascotのセキュリティ機能を使いたいがお薦めの設定条件を相談したい
  • 普段から気になってはいるがそのまま放置している検索結果項目の内容を詳しく知りたい

ブース番号は「307」です。ご来店日時の ご予約等はこちら からどうぞ。

Orlando

酸化システインの定量(Mascot追試版)

グラスゴー大学の研究グループは、安定同位体ヨードアセトアミド標識を利用した新しい定量手法「SICyLIA(Stable Isotope Cysteine Labelling with IodeAcetamide)」を発表しました。SICyLIAは2成分系のプリカーサプロトコルですが、次のようなちょっとした仕掛けを施してあります。すなわち、可逆的な酸化を受けているシステインチオールについては、DTTで還元処理した後、N-エチルマレイミド(NEM)で修飾・ブロックしています。定量解析にはLightまたはHeavyのカルバミドメチル(CAM)で修飾されたペプチドを使いますが、この仕掛けによってCAM以外にNEMで修飾されたシステインの存在も考慮する必要があります。研究論文には、2つ以上のシステインを持つペプチドは15-16%存在し、CAM-システインとNEM-システインの両方を持つペプチドは3-4%存在しましたが、定量解析に利用したソフトウェアの機能制限のためにMEM-システインを含むペプチドは定量計算から除外したと注記されています。

通常のプリカーサプロトコルでは、Light成分とHeavy成分は互いに排他的に作用するという意味で「Exclusive modification」(Mascotで言うところの「Fixed modification」に相当します)として定義・モデル化します。すなわち、対象となるラベル化サイトは全て同じ成分で占有されると考えています。一方のSICyLIAプロトコルでは、対象となるラベル化サイトであるシステインはCAMだけではなくNEMでブロックされる場合もありますのでこれを考慮することが必要となります。

Mascot Serverの「Quantitation」設定ではLight成分とHeavy成分を「Fixed modification」以外に「Variable Modification」として定義することができます。ラベル化サイトであるシステインに対してLight-CAM、Heavy-CAM、MEMの3種類の修飾を「Variable modification」として設定し、これら3種類の組み合わせによる8種類のケース(1:修飾なし、2:Light-CAM、3:Heavy-CAM、4:NEM、5:Light-CAM+Heavy-CAM、6:Light-CAM+NEM、7:Heavy-CAM+NEM、8:Light-CAM+Heavy-CAM+NEM)を考慮してペプチドを同定できますので、Mascot ServerとMascot Distillerを組み合わせて、SICyLIAプロトコルの定量計算を効率的かつ精度良く行うことことができます。

追試をしてありますので詳しくは ブログ をご覧ください。ちなみに、同定されたペプチドがLight-CAMとHeavy-CAMの両方を含んでいる場合はこのペプチドは無視し、定量計算には含めまていません。

SICyLIA

今月の論文

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

In Situ Click Reaction Coupled with Quantitative Proteomics for Identifying Protein Targets of Catechol Estrogens

Huei-Chen Liang, Yi-Chen Liu, Hsin Chen, Ming-Chun Ku, Quynh-Trang Do, Chih-Yen Wang, Shun-Fen Tzeng, and Shu-Hui Chen

J. Proteome Res. Publication online: June 13, 2018

Catechol estrogens (CEs), major metabolites of estrogens, are an important set of electrophiles that form stable covalent conjugates with endogenous proteins. These covalent modifications may induce cell signaling responses and influence the metabolic or gene regulation. In this study, the authors developed a click reaction/MS-based strategy to identify cellular protein targets of CEs.

Liver microsome samples were treated with ethinylestradiol as the precursor probe, and the CE metabolites were produced in situ by the enzymes present in the microsomes. After 24 hr. the CEs-protein complexes were affinity purified using click chemistry with a biotin azide linker. The samples were digested by trypsin, stable isotope labeled via reductive amination, and analyzed by LC/MS.

A total of 334 liver proteins were identified and 274 proteins were classified as strong binders. Many of the identified strong binders are involved in cellular redox processes or detoxification activities.

Thumbnail from featured publication

今月の小技
Mascot Daemonの「Backup」と「Restore」

Mascot Serverを新しいPCに移行する際、新旧のPCでIPアドレスやホスト名が異なる場合は、いままで表示できていたMascot関連のページURLは変更されたことになり、Mascot Daemonからの検索結果リンクも含めてリンク切れになりますので注意が必要です。

Mascot Daemon 2.6ではタスクデータベースの「Backup」と「Restore」の機能を実装しましたので、次の操作を通じてURLなどの内容を簡単に変更することができます。

  1. Mascot Daemonを起動してください。
  2. メニューバーの[Edit]→[Preferences]を選択してください。
  3. [ODBC connection]タブをクリックし、[Backup]ボタンを押してください。「Backing up the task database will cause the Mascot Daemon engine to be stopped and re-started. You might wish to cancel if any task is currently processing a data file.」というダイアログが表示されますので[OK]ボタンを押してください。
  4. 処理に少し時間がかかりますがしばらくすると、「Task database successfully backed up to C:\ProgramData\Matrix Science\Mascot Daemon\20180721040811_TaskDB_Export.xml」のようにバックアップされたXMLファイル名が表示されますので[OK]ボタンを押してください。
  5. テキストエディタでバックアップされたXMLファイルを開き、[検索と置換]の機能を利用して古いMascot-PCのホスト名を含む文字列
    (たとえば「http://lab_server/mascot/」)
    を新しいMasoct-PCのホスト名を含む文字列
    (たとえば「http://new_server/mascot/」)
    に置換してください。
  6. 変更したXMLを保存して、先ほどの[Backup]ボタンの右にある[Restore]ボタンを押し、変更処理を施したXMLファイルを読み込んでください。
Daemon preferences

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-10 ARTビル1F

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電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

 

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