To view this email as a web page, click here.  日本語のWeb版はここをクリックしてください

newsletter banner

2018年11月号

 マルチCPUライセンスのMascotはシングルモードまたはクラスターモードのどちらで構成するのが効果的なのでしょうか?

 「今月の論文」では、脱リン酸化酵素を利用したリン酸化ペプチドの同定数向上に関する研究例をご紹介します。お客様が取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。

 「今月の小技」では、Mascotの検索ログを再構築する方法についてご説明します。

 Mascotニューズレターの バックナンバーはこのページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

November 2018

クラスターモード
今月の論文
今月の小技:検索ログの再構築
 

シングルモードとクラスターモードのどちらが効果的?

 Mascot Serverは標準でシングルモードとクラスターモードの両方をサポートしています。1台のPCでMascot Serverを構成する場合はシングルモードに、マスターPCと複数のノードPCをLANで接続してMascot Serverを構成する場合はクラスターモードに設定します。

 一方、Mascot Serverのライセンスは、1CPUライセンス(最大4コアを使って検索可能)、2CPUライセンス(最大8コア)、・・・、nCPUライセンス(最大4nコア)の形式を採用しています。従いまして、PCに搭載されているCPUのコア数により、例えば4CPUライセンスの場合ですと、16コアのCPUを搭載した1台のPCを使ってシングルモードで構成することもできますし、4コアのCPUを搭載したPCを4台使ってクラスターモードで構成することもできます。

 しかしながら、PCの価格はCPUの種類(コア数、コアの処理能力)やメモリ搭載量によって大きく変わりますので、PCの置き場所などの制約がなければ コア当たりの処理速度 を勘案しながらコア数が少ないCPUを搭載した安価なPCを使ってMascotクラスターを構成する方が経済的な場合もあります。

  • 3〜4CPUライセンスの場合は、デュアルCPUのPCを使ってシングルモードで構成するのが簡単ですが、安価で高性能な4コアCPU搭載PCを使ってクラスターモードで構成した方がコストパフォーマンスが良い場合があります。
  • 5以上のCPUライセンスの場合は、適切なPCを選択してクラスターモードで構成してください。

 Mascotクラスターを構築する際は、より高性能なPCをマスターPC(Webサーバー処理、検索結果レポートの作成、DBの更新などの処理が速くなります)として使い、同じ性能のPCをノードPC(各ノードに検索処理が分散されるため、処理速度が遅いノードPCが律速になります)として使います。

詳しい内容を ブログ まとめましたのでご覧ください。

cluster mode

今月の論文:リン酸化ペプチドの同定数向上プロトコル

 Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Global ion suppression limits the potential of mass spectrometry based phosphoproteomics

Roland Felix Dreier, Erik Ahrne, Petr Broz, and Alexander Schmidt

J. Proteome Res., Article ASAP, published online November 2, 2018

The authors evaluated the impact of phosphorylation on peptide identification by LC-MS. They used an efficient dephosphorylation protocol to directly compare identified phosphopeptides with their unmodified counterparts. The samples in this study were generated in large-scale phosphoproteomics studies including frequent missed cleavages, large abundance differences and common contaminations, as opposed to the standard phosphopeptide mixtures sometimes employed.

A mix of two potent phosphatases (lambda- and alkalinephosphatase) was applied to TiO2-enriched samples from whole HeLa S3 cell lysates. The phosphatase mix removed virtually all phosphorylations after only 1 hour of treatment (>99.7% complete). When looking at the LC-MS chromatograms, the authors noticed an approximate 10-fold increase in precursor ion intensities after phosphatase treatment. Using the standard phosphoproteomics approach, they quantified 6,607 phosphopeptides from the enriched samples. When implementing the additional phosphatase treatment, precursor ion intensities were strongly enhanced and the number of quantified peptides increased by a factor of 2.3 to 15,494 peptides.

The immune signaling pathways engaged during Salmonella infection of macrophages were investigated and it was determined that the use of this phosphatase treatment doubled the number of proteins in the protein-protein interaction analysis. Sample matrix related ion suppression is the main driver of the reduced MS response/identification rates observed. This led to MS sequencing of additional peptide precursor ions, which were almost completely suppressed in the original phosphopeptide enriched sample.

Thumbnail from featured publication

今月の小技:検索ログの再構築

 Mascot Serverは検索履歴を検索ログファイル(実体は「C:\inetpub\mascot\logs\searches.log」ファイル)に記録します。検索ログファイルは「MASCOT search log」ページ(Welcomeトップページの「Search Log」リンクをクリックしてください)にマップされていますので、閲覧したいJob#のリンクをクリックすれば過去の検索結果ページを呼び出すことができます。

 一方で、検索ログファイルを再構築するためのユーティリティ「C:\inetpub\mascot\bin\ms-makesearchlog.exe」を準備してありますので、次のような状況に対応することができます。

  • 検索ログファイルが壊れた、誤って削除してしまった
  • ディスクスペースを確保するために古い検索結果ファイルを削除して、それらのエントリも検索ログファイルから消したい
  • 別々のMascotの検索結果ファイルをひとつにまとめ、ひとつの検索ログファイルにして管理したい

 「ms-makesearchlog.exe」はコマンドライン実行型のユーティリティプログラムです。コマンドプロンプト起動して「cd」で「C:\inetpub\mascot\bin」フォルダに移動し、引数なしで「ms-makesearchlog.exe」を実行してください。「C:\inetpub\mascot\data」フォルダに存在する全てのフォルダ内をスキャンして検索結果ファイル(*.dat)検出し、新規に「C:\inetpub\mascot\logs\searches.log」を作成します。既存の「seaches.log」ファイルは「searches.bak」ファイルとしてバックアップされますが、念ためにお客様ご自身でバックアップを作成してください。

 再構築作業を別な場所、たとえば「C:\temp\data」フォルダに対して作業したい場合は、上記と同じようなフォルダ構造になるように「C:\temp\bin\ms-makesearchlog.exe」および「C:\temp\logs」を作成してください(必要に応じて実行ユーザの読み書き実行権を付与してください)。再構築作業が終了した後に「searches.log」ファイルや検索結果ファイルなどの関係するファイルを有効なMascotフォルダに移動してください。

 なお、つい忘れがちで、しかしとても重要な "gotcha" は「アクセス許可」です。「searches.log」ファイルはMascotを構成するさまざまなプログラムによって読み書きできることが必要ですので、Linuxの場合は「chmod 666」を実行し、Windowsの場合はSYSTEMグループのアクセス許可をフルコントロールにしてください。

 検索結果ファイルの数が多いと検索ログファイルの再構築にはそれなりの時間がかかりますので、Mascot検索が行われていない週末などに実行するのがよいと思います。

 検索ログファイルの構造等につきましては 日本語資料 がありますのでご覧ください。

logs

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-10 ARTビル1F

info-jp@matrixscience.com

電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

 

Matrix Science logo

Matrix Science Ltd, 64 Baker Street, London W1U 7GB, UK
T +44 (0)20 7486 1050  F +44 (0)20 7224 1344  E info@matrixscience.com
 

View in a web browser Forward to a colleague Unsubscribe