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2019年3月号

ドイツのポツダム市で開催される「Proteomic Forum 2019」に出展します。

「今月のブログ」では、ニュートラルロスを利用したO-フコシル化ペプチドの同定操作についてご説明します。

「今月の論文」では、細胞溶解液からタンパク質を抽出するための「leanな非特異的吸着プロトコル」に関する研究論文を取り上げました。

「今月の小技」では、問題点を録画するための「ステップ記録ツール」をご紹介します。

 Mascotニューズレターの バックナンバーはこのページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

今月のトピックス

Proteomic Forum 2019
今月のブログ:O-結合型グリコシル化ペプチド
今月の論文:lean ABP
今月の小技:ステップ記録ツール
 

Proteomic Forum 2019

ドイツのポツダム市で開催される 13th Annual Congress of the European Proteomics Association: From Genes via Proteins and their Interactions to Functions に出展します。お気軽にお立ち寄りくださいませ。

Sanssouci

ニュートラルロスを利用したO-結合型グリコシル化ペプチドの同定手順

O-グリコシド結合はペプチド主鎖に比べて結合力が弱く、CIDによるフラグメンテーションではニュートラルロスとなり、未修飾のプロダクトイオンに対応する質量ピークが観測されます。最近発表された、マラリア原虫由来のO-フコシル化トロンボスポンジン1型リピートタンパク質のキャラクタリゼーションに関する研究論文ではこの種のペプチドを同定していますが、独自に解析パイプラインを構築して解決しています。

Mascotでは、修飾設定にニュートラルロスの情報を含めることができますので、ニュートラルロスを含むO-グリコシル化ペプチドのスペクトルを正しく同定することができます。修飾情報の追加・編集のための「Configuration Editor」を用意してありますので、初期設定にはないニュートラルロスの情報(たとえばC-マンノシル化トリプトファンの120Daニュートラルロス)も簡単に追加することができます。修飾設定に関しては 日本語説明資料 がありますのでご覧ください。また併せて 英文ヘルプページ もご覧ください。

なお、Peptide Atlasから関連データファイルをダウンロードしてMascotを使って追試してありますので、詳しくは ブログ をご覧ください

Mosquito

今月の論文:Lean adsorption-based protocol(ABP)

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Proteomic Sample Preparation through Extraction by Unspecific Adsorption on Silica Beads for ArgC-like Digestion

Yannik Lewin, Moritz Neupartl, Vahid Golghalyani, and Michael Karas

J. Proteome Res., 18 1289−1298 (2019)

研究論文では、非共有結合タイプの担体で構成したシリカベースの磁気ビーズを利用して細胞溶解液を処理する「a lean adsorption-based protocol(ABP)」プロトコルを使うことにより、サンプル調製時間が大幅に短縮されると同時にペプチドの同定数が向上したと報告しています。処理プロセスの時間軸とペプチド同定数の図に研究内容が凝縮されていると思いますので リンク しました

「lean」と言えばオートバイ乗りなら「リーンウィズ/リーンアウト/リーンイン」というライディングテクニックを連想しますが、ビジネスの世界ではトヨタ自動車の生産方式である ジャスト・イン・タイム に由来する「リーン生産方式」になります。徹底的に無駄を排除して生産性や生産コストを改善し、さらには製品の質などの生産出力を最大化するための思考・行動を伴う生産方式ですが、研究・開発の世界でもとても大事な考え方だと思いますので、leanの頭文字も含めて「LABP」にするとよりインパクトがあるかもしれません。

Thumbnail from featured publication

今月の小技:ステップ記録ツール

お客様がMascotをお使いになっていて何か問題が発生した場合はエラーログ(C:¥inetpub¥mascot¥logs¥errorlog.txt)や画面のスナップショットをお送りただだくようお願いしています。しかしながら、問題が複数のステップに跨がっていたり、問題を再現するための操作が複雑な場合もありますので、そのような時はWindowsに標準実装されている「ステップ記録ツール」で問題を「録画」すると便利です。

ツールの内容や使い方に関してはネット上に多数の記事がありますが、「psr.exe site:qiita.com」の検索キーワードで検索すると雑音が少なくて見やすいと思いますのでお試しください。

ちなみにMacの場合は「QuickTime Player」が定番です。ただし録画領域はデスクトップ全体になります。

Problem Steps Recorder

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