Tryp-N: A Thermostable Protease for the Production of N-terminal Argininyl and Lysinyl Peptides
John P. Wilson, Jonathan J. Ipsaro, Samantha N. Del Giudice, Nikita Saha Turna, Carla M. Gauss, Katharine H. Dusenbury, Krisann Marquart, Keith D. Rivera, and Darryl J. Pappin
J. Proteome Res. Publication Date: March 6, 2020
「Tryp-N」は、KとRのN末端側を切断する新規の酵素として 2014年のASMS(WP 170)や 2015年のUS HUPO(lightning talk)で発表されており、また、この研究論文の著者が設立した ProtiFi社 が製品販売していますので、すでにご贔屓にされているお客様もいらっしゃるかもしれません。
今回の研究論文では、Tryp-Nの特性・性能に関する報告に加えて、Tryp-Nのアミノ酸配列とそこに行き着くまでの分子設計プロセスも公開してます。Lys-Nとulilysinの構造解析を通じて「無駄な構造部分」を推定し、類似タンパク質に対してバイオインフォマティックス解析手法を適用して機能モチーフを特定し、環境メタゲノムを含む利用可能なデータベースに対してインシリコスクリーニングを行なって候補配列を探索しています。
ちなみに、公開されたTryp-Nのアミノ酸配列を SWISS-MODELで処理すると、Tryp-Nの立体構造や計算に使われたテンプレート情報などを確認することができます。ご興味がありましたら2週間閲覧可能な 解析例 をご覧ください。
なお、ラストオーサーのD. J. PappinはMascotの前身である MOWSE の開発者のひとりです。
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