Maleimide-Based Chemical Proteomics for Quantitative Analysis of Cysteine Reactivity
Evan W. McConnell, Amanda L. Smythers, and Leslie M. Hicks
J. Am. Soc. Mass Spectrom. 2020, published online: June 23, 2020
この研究論文では、部位特異的に反応性が高いシステインを定量する方法(QTRP : Quantative Thiol-Reactivity Profiling)について報告しています。チオール類の反応性に関するヨードアセトアミド(IAM)とN-エチルマレイミド(NEM)の研究成果を踏まえ、市販のN-プロパギルマレイミド(NPM)を採用し、NPMとCuAAC(Cu-Catalyzed Azide Alkyne Cycloaddition : アジドとアルキンの環化付加反応 : クリック反応)が可能な試薬(ゲルの蛍光プロファイリングに対してはRhodamine-azido、ゲル及びMS解析に対してはDADPS-azide)を組み合わせることにより、ゲルベースの解析においては高感度な蛍光プロファイルイングが可能となり、またMSベースの解析においてはボトムアップのプロテオミクス実験に簡単に組み込むことができ、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)に適用した結果、目的のシステインを精度良く検出・定量できたと報告しています。
なお、ヨードアセトアミド(Unimodの修飾名はカルバドメチル)を適用してMascot検索を実行する場合の注意点に関しては 2017年12月号のニューズレター で取り上げましたのでご参考にしてください。
|